認知症の困難事例:訪問看護ステーションの日々
- 訪問看護ステーション ののはな
- 2023年6月6日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年7月25日
認知症の困難事例: 訪問看護ステーションの日々

日頃よりお世話になっております。杉並区・練馬区をエリアとしている「ののはな訪問看護ステーション」の山田でございます。
今月は「認知症困難事例」についてお伝えします。
私の経験が皆様の日々の業務上役に立って頂けたら幸いです。
私たちがケアを担当しているのは90歳代の女性です。
彼女は一人暮らしで、中〜高等度の認知機能障害があります。1日2回、ヘルパーが訪れて食事の準備や買い物、服薬の促進、部屋の片付けなどを行っています。
初めて訪問したときに驚いたことは、彼女が「何年もお風呂に入っていなかった」ことでした。
彼女の服はいつも同じで、汚れていました。なぜこんなことをするのかと疑問に彼女の背中を見せてもらおうとも、「私は毎日お風呂に入っているのに!」と言い、脱衣を拒否しました。
訪問当初は、いつも同じ服を着ていて汚れており、彼女に背中を見せてもらおうと脱衣を変えて、「私は毎日お風呂に入っているのに!」と反省してしまいました。しかし、我々は彼女の生活状況を改善するために、何度も訪問し続けることを決心しました。
それから2~3ヶ月経った頃、彼女のパンツが便で汚れていることを発見しました。入浴してもらいました。しかし、これもまた簡単な道のりではありませんでした。入浴することもあれば、口論になることもありました。
そして、訪問開始から半年後。 体重計を見つけて体重測定のために脱衣をすると、彼女は「とても気持ちいい」と言いました。これより、毎週の訪問時に入浴、髪も可能になったのです。
半年以上かけていきましたが、入浴によって全身の観察や排泄の状況、足に火傷をしていることがあるように分かりました。
認知の低下に伴い、食事や排泄・清潔等、自力での生活を認めることが困難になりますが、周囲が一見して困難なケースが多々あります。
ケアに入ることが、利用者さんが「人としての認識」を持って生活していく上で大事なことだと感じました。 今後も我々は、訪問看護として皆様の健康と生活の質向上頑張ってまいります。
ののはな訪問看護ステーション
山田喜久子
〒167-0023 東京都杉並区上井草4-24-3
03-6913-8743/Fax:03-6913-8769
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