看取る家族の葛藤に寄り添う
- 訪問看護ステーション ののはな
- 2023年7月25日
- 読了時間: 2分
こんにちは、ののはな訪問看護ステーションです。日頃よりお世話になっております。
本日は、看取りを迎える家族の意思決定支援についてお届けします。皆様のお役に立てましたら幸いです。

98歳男性、有料老人ホーム入居中
近隣に長女が住んでいるこの男性は、新型コロナ感染予防の為、しばらく面会できていない状況でした。
【訪問依頼】(クリニックからの依頼)
コロナワクチン接種後から38℃台の発熱が見られ、食事がとれなくなったため、連日点滴を希望。そこで訪問看護が開始されました。
【1週間後】
連日点滴を行っても37℃前後の微熱が続き、口からの摂取ができなくなりました。また、寝たきりとなり、声かけにもわずかに反応する程度となってしまいました。
ご家族からの電話相談では、「予防接種の前までは1人で食事できていたのに、急に食べられなくなってしまった。父には元気でいてほしい」という切実な思いが語られました。全身機能は落ち、回復は難しい状況でした。点滴をすることでむくんだり、針を刺す痛みもある。それでも延命目的で点滴を続けるべきかという悩みもありました。
そんな中、ご家族が手作りのスープを持ってきたところ、2~3口飲んで美味しいと言ってくれたそうです。それでも、「もうこのまま食べられないんでしょうか」という不安の声が電話相談で寄せられました。
細かい質問や不安の表出があり、「できる限りのことをしたいのに、どうしたらいいかわからない」という迷いが感じられました。
【1か月後】
亡くなる直前まで点滴を継続。浮腫も褥瘡の悪化もなく、ご家族に見守られ、穏やかに最期を迎えられました。
最後まで、不安や迷い、何度も気持ちが変わるご家族に対して、その都度傾聴し、状態の説明やリスクについて説明しました。
看取りと家族の意思決定
ご本人の意思が確認できない中、ご家族が決断することはなかなか難しいものです。今回は、ご家族の葛藤に寄り添い、意思決定支援を求められる事例でした。
不安な時は、いつでも気持ちを聞かせてください。迷うなら、何度でも説明します。そんな風に寄り添って看護をしています。
ののはな訪問看護ステーション ☎03-6913-8743 fax03-6913-8769
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※在宅・施設に関わらずご相談ください ※看護相談受け付けています
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